情 愛

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山里の離れの温泉宿は


連れ立った相手によって


景色は変わらずも気配が違う

 

それは二人の関係が写し出す心模様

 

 

 

 

はやる思いを押し留めるのは


互いに道を外れた恋と知ってるから

 

 

 


湯上りに姿勢を正して山の一点を見つめる女の姿


それは燃え上がる情念と微かな後悔の分水嶺を裸足で歩く様

 

 

 


もう戻ることの出来ない今を


運命と云いきかせているのだろう

 

 


遠から聞こえる気忙しい蝉の音が


途切れる前に抱き合いたい

 

 

 

 


清流のせせらぎの音の中で愛し合うには


罪のある恋だから


重すぎる愛だから