2018-03-23 情 愛 山里の離れの温泉宿は 連れ立った相手によって 景色は変わらずも気配が違う それは二人の関係が写し出す心模様 はやる思いを押し留めるのは 互いに道を外れた恋と知ってるから 湯上りに姿勢を正して山の一点を見つめる女の姿 それは燃え上がる情念と微かな後悔の分水嶺を裸足で歩く様 もう戻ることの出来ない今を 運命と云いきかせているのだろう 遠から聞こえる気忙しい蝉の音が 途切れる前に抱き合いたい 清流のせせらぎの音の中で愛し合うには 罪のある恋だから 重すぎる愛だから